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独り言置き場を兼ねた『パ/ン/プ/キ/ン/シ/ザ/ー/ズ』の個人的ファンサイトです。二次創作がありますので悪しからず。
Posted by - 2025.07.22,Tue
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Posted by haruha(ハルハ) - 2008.12.30,Tue
ああ恐れていた「書き直し」要求がきた。

せっかく机の上が一掃されたのに(ノД`)シクシク。
というわけでまたもや滞ります。ごめんなさい。
拍手入れ替えました。お話は3つ。
どうも「とっちめたい」モード炸裂です。両天秤万歳!

これが今年最後の更新です。
来て下さった方、コメントくださった方、ありがとうございました。
来年はもちっと更新したいです。切実な願望です。


折りたたみは、「痛いの」です。


ほんのり(ここが重要)と女性向けです。

苦手な方は回れ右であります。





明かりを消して、狭い更衣室兼武器庫を出ようとしてなんとなく振り返ると、並んで壁に掛けられた大きい方の制服の袖が片方だけ、中に入り込んでいるのが目に入った。あれだけの洒落者なのに、士官学校に入学した時からこの服の扱いは変わらない。一瞬迷ったが、直しておくことにする。朝からくそ真面目な上官の怒声は聞きたくない。
 

 
手にとった制服は、まだわずかに持ち主のぬくもりを残している。
  

 
「ま、ヤバくなったら、ここからおさらばするだけさ」
 
 
ふと、オレルドの言葉が思い出された。夕方の炊き出し支援から戻って、あまりの寒さに体が温まるまでと、二人でなんとなくやり過ごしていた時に言っていた。このごろ一課からの圧力(いやがらせ、ともいう)がひどいので、その理由をあれこれと推測していたのだ。結局、大尉のやり方を少佐が気に入ってないのだという、とても無難なところに落とした。その流れで、オレルドはそんなことを言ったのだ。もちろん、二人とも、それが正解とは思っていない。あくまで表向きの理由だ。水面下に潜むものについての憶測を口にすることなんて、情報収集の専門家が集まっているここでは自殺行為だ。たぶん「不可視の9番」についてのボクたちの調べものだって、どこかで代わっているような気がする。これ以上踏み込まない方いいのははっきりしているけど、伍長と出会って、この国の変なところをたくさん見てきた今、放棄してしまうことはできない。そうはいっても調べつくして何かが見つかったところで、一介の軍人にできることなんて知れている。あえてリスクを背負ってまで作業を続けているのは、正義感の塊のような上官の影響だけではない。
 
 
 
中に入り込んだカーキ色の袖を出したものの、元の位置に戻さないで制服を腕の中に抱えてしまう。秘密を共有しているという状況に心地よさを見出していたのは、自分だけだった。調べものには終わりがあるとはわかっていても、それはもっともっと後のことで、「当分は」この時間が続くと思っていた。まして、いつか前触れもなく消えるのだということなど思いもしなかった。
 
 
 
せっかく、君に、追いついたのにな。
 
 
 
入隊の裏の動機なんて、思い出したくもなかったのに。マーチスは背中を壁に預けてそのままずるずると座り込む。
 
 
 
「遅いぞ、マーチス。真っ暗ななかで瞑想か?」
闇と隙間風になじんできたころ、上から声が降ってきた。
 
 
 
「オレルドはさ。逃げるのかな?」
「逃げる?女から?」
「……三課から」
 
 
 
質問に答えることなく、オレルドはマーチスの隣に座り込む。
「オレの制服が、ない。マーキュリー号のいたずらにしちゃ上出来すぎる」

「頼むから、クッションみたいに抱きかかえるのだけはやめてくれ、なぁ幼馴染」
「ごめん」

「謝罪の言葉ってのは、目を見て言うもんだって駄菓子屋の婆さんに言われたろ?」
しぶしぶ顔を上げてボクはオレルドの目を見る。どんな顔をしているのかわかったものではないが、とりあえず抱えていた制服を差し出して謝る。
「ごめん。オレルド」
「お前、むくれると口先がとがるところとか、子供のときからなんにも変わっちゃいないのな。お前を置いてけぼりにしたことってあったか?」
 
オレルドの手がマーチスの頭を軽く揺する。
「一人で勝手に話つくんな。ばーか」

揺すられた反動でオレルドの肩にもたれる格好になったのをいいことに、そのままの姿勢でいることにした。
頭に置かれたままになっている手が待ち焦がれていたものだったことを否定するのは、もうやめた。

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