呼び名

『こち陸』聞いたり、英語版wikipediaを読んだりしてて
気になってるのが伍長（でかい方）の呼び名。

声優さんたちは「オーランド」。wikiでは「ランデル」。

どっちも自分的にすわりが悪い。
3課のメンバー誰一人として彼を名前で呼ばないからか？
「ランデル」入力しただけで、なんか照れ臭い。
私が照れてもしかたないのに。

試みまでに作った話の「伍長」表記を「オーランド」にしてみたら、
なんだかできそこないの翻訳小説みたいになってしまった。


本編が拘束部隊と実働部隊に分かれたまんまで、
ボーイズ達のやり取りが見れないので、脳内補完。
他所の南瓜サイトさまみたく、さっくりニンマリできるＳＳが目標。
修練修練。

ある日の昼食後。

食事を済ませて3課に戻る道すがら、
オーランドは奇妙な光景を目にして立ち止まった。
自分の上官二人が垣根の前に妙な格好で突っ立っている。
ぱっと見た感じそりが合わなさそうな二人だが、
幼馴染らしく思いもよらないところで意気投合していたりする。
これもその一つなのだろう。

邪魔しないようにとそっと立ち去ろうとしたその時、
「おい」と神妙な面持ちのオレルドに声をかけられた。
いやな予感が頭をよぎるが、相手は上官。返事は「はい」である。
しかも「お願い」とばかりに手招きしている。
仕方なく寄っていくと、オレルドは押し殺した声で一言命じた。

「おい、デカブツ。台になってくれ」

台……

突然のオレルドの頼みに戸惑っているオーランドに、
さらにすがるような声がかかる。

「たのむよ。伍長。あと20センチほどたりないんだよ。」
「え、准尉これってのぞ…」
「バカ。デリカシーないこと言うなよ。こういうのは『垣間見』って言うんだよ」
言い方変えてものぞくことには変わりないような気がすると思いつつも、
しぶしぶ芝生に両膝と手をつく。嬉々として乗ってくる准尉二人。

「あの首筋そそるねぇ。真っ白だぜ。おい」
「ちょっと、どこか教えてよ。こっちからじゃよく見えないんだから」
「ほほーっロリコンじゃなかったんだ。ハイネック」
「うるさいな。余計なお世話だよ。うわーホントに白いねぇ」

こんなやり取りしてちゃそのうち窓の向こうも気づくんじゃないだろうか、
というオーランドの心配をよそに、背中の上ではじゃれあいが続いている。

「准尉ぃ、重いです」
「悪ぃ、もうちょっと」
懇願はたやすく流されてしまった。背中に大人が二人。
いくら人並み以上の体格を持つオーランドにだって限度がある。
俺なんでこんなことしてるんだろうという考えがぼんやり浮かんでくる。

「誰だ。そこにいるのは？見世物じゃないんだよ！」
突然、罵声とともに背中が一気に軽くなった。
重みから解放されてぐったりと地面に突っ伏していると、
今度は軽く蹴りを食らった。
のろのろと体を起こすと、赤毛の女性が仁王立ちになっている。

「金髪とメガネはどこへいったんだい？」
「あの、どこへって…」
あたりを見回してみても、二人の姿は見当たらない。
結局お叱りを受けるのは自分である。

「まったくお前も損な役回りだねぇ」
ポケットから出した煙草に火をつけて一服すると、
ウェブナーはため息混じりにぼそりと言った。

「脱ぎ脱ぎショー、見損なったんだろ？准尉二人を手助けしてるうちに」
「あ、いや、あの……」
「アホな上官たちのかわりにお仕置きされるかい？
それとももう一回見せてあげようか」
がっちり頭を押さえ込まれてにらみをきかされる。
迫ってくる胸が強烈に怖い。

己の身に降りかかろうとしている災難に
甘んじようと覚悟を決めたとき、ふと手が離された。
反動で軽く体が反り返る。

「やめたッ。お前からかうとロクなことない」
「へ？」
「あの『うるさいの』が飛んでくるからね！」

そう言い放つと、ウェブナーはもと来た道を帰っていった。
言われた言葉を理解できないまま呆然とするオーランドに、
さらに言葉が飛んできた。

「あとで『メガネ』に整備班まで来るように言っときな！」

建物の影から事の成り行きをうかがっていた
マーチスが凍りついたのは言うまでもない。



※　自分内お題「伍長よつんばい」「ウェブナーの伍長頭鷲掴み」
　　半泣きで「准尉ぃ～」。
　　 覗きは対象よりも行為そのものに意義がある（あってほしい）。