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独り言置き場を兼ねた『パ/ン/プ/キ/ン/シ/ザ/ー/ズ』の個人的ファンサイトです。二次創作がありますので悪しからず。
Posted by - 2025.07.23,Wed
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Posted by haruha(ハルハ) - 2007.09.01,Sat

前の記事でゆで卵のことを書いたら、めっちゃ食いたくなってきました。
半熟タマゴと薄くて細長くきったベジマイト付き(これ重要)トーストが食べたい。
おなかすいた~。


突如浮かんだタマゴネタで。


ストーブからあがる湯気が、朝の空気をほどよく緩ませる。
これぞまさしく休日の朝。
 
「おい、卵どうすんだ?投入から3分経過。引き上げるんなら早く来いよー」
 
オレルドは部屋の奥に向かって声をかけるが、
あくびとため息の混じった返事ともなんともいえないものが返ってくる。
めずらしく随分と寝起きが悪い。
いつもなら卵をゆでるなるとストーブの前に張り付くくせに。
原因の一端はオレルドにあるから皮肉るのはやめておく。
 
大体4分30秒なんて細かすぎる。
たかだかゆで卵ごときに時計をにらむのは、
オレルドにとって面倒なことこの上ない。
鍋が沸いた頃が食べごろ、それで十分だ。
 
「お、4分まであと10、9、8、7、6……」
「あぁっ、ダメー!オレルドさん、お玉とって」
 
バタバタと白い塊が飛び出してきてオレルドの手からお玉を引っつかむと、
大慌てで卵をすくいだす。
 
「セーフ」
エッグスタンドに立てた卵に向かってにっこりする白い塊には、
さっきの歯切れの悪さはどこにも見当たらない。
 
 
「たいした情熱で」
「オレルドさんに任せると、黄身がパサパサになるんですもん」
「はいはい、細切りトーストをとろとろの黄身に突っ込みたいんでしたっけ?」
「『突っ込む』じゃなくて、『絡める』んです。
最強の組み合わせですから!あ、お鍋沸いてますよ」
「はいよ」
 
自分の分を引き上げて、机の上にコツリと底をぶつけて皿に置く。
半熟じゃないから卵は自力でまっすぐに立つ。
 
「あー、これじゃぁ中はパッサパサ」
「うるさい」
「それにしてもどうして固ゆでなんですか?」
「ツルリと剥けるのが好きなんだよ。こんな風に」
ステッキンの着ていたシャツを下から捲り上げようとすると、
本気で受け取ってひっぱたこうと手を上げたので、
オレルドはあわてて腕を捕まえる。
 
「おっとぉ」
「最ッ低ー」
「こんな脱がせやすいもの着てるお前が悪い」
「卵の救出には仕方なかったんです。だってパサパサの黄身は…・・・」「わかった」
「とにかく自分のものに着替えてこい。ホントにひん剥くぞ」

パタパタと奥の部屋に消えて行くあきらかにサイズ違いの白いシャツの固まりが、
なんとなく卵に見えてくる。本気で剥きたいといったら引っ掻き傷ができるだろう。


「卵」に背を向けると、オレルドはボードに納められたマグカップに手を伸ばした。

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