試行錯誤

お久しぶりです。
一ヶ月に2回も風邪をひいてあたふたしてる管理人です。

ずっと書きづまってたものがを、もう、なんだかよくわかんないけど、出しちゃえ！
とばかりにアップです。
ほんと、いろんな場面を文字に出来たらいいのに、思うようにはいきません。
スナイプスとCJとか、エロ本探検隊な幼馴染とか、マニキュア職人なメガネとか。


折りたたみは、生々しい表現を若干含みます。
どうぞお気をつけて。

イロゴトの風景はキレイなものじゃない、とかなんとか。

すでに暖まっているベッドにずるずると滑り込むと、キレイな寝顔が律儀にこちらを向く。

肩書きは「主任」だから、夜間の緊急出動時のフォローはウェブナーの仕事だ。新人が入ってくるこの時期はおちおち眠っていられないはずなのだが、彼女が自分の家でくつろいでいるのは、今夜は呼び出し「絶対」ないから家に帰ってください、と班長に追い返されたからである。出動がないことを祈りながら、いつの間にか自分の胸に顔をうずめている頭に腕を回す。胸をまさぐってくる手に、やっぱりあんたもチチなのかとあきれながらもすみっこで、正直な反応がかわいいとも思う。つまらないことが頭をめぐるのは、ここ数日の慌しさからか。かまっていないで眠れるときに寝ておくのが得策だろう。

 

 

緩みはじめた意識は、胸に生じた生々しい刺激で間単に起こされた。

夜着の上にかぶさる頭。このムッツリ野朗！ととがめるどころか、久方ぶりの感覚に一気にスイッチが入る。もう寝ているどころではない。ウェブナーの変化に気づいたのか、首筋から声がする。

 

「いいにおい」

 

恥ずかしげもなく向けられた言葉に、思わず顔をそむける。

そのまま沈黙を了承と受け取った彼にされるがままだ。なんだ、この甘い展開。

 

もたらされる波はチカリチカリと頼りない。いっそ没頭してしまえばいいのだが、意識はどれひとつ逃すまいと集中してくる。「万が一」のことを思うと、そんなことしていられない。醒めた部分を放り投げてしまえば、宙ぶらりんでいるよりも楽になれるはずだとようやく観念しかけたら、今度は外のかすかな物音で現実に引き戻された。どかどかと階段を上がってくる足音は、この建物の住人のものではない。だとすると。部屋に近づいてくる音に耳が張り付いてくる。

 

「待ったッ」

手加減しながら突き放す。

 

「今日はいいんでしょ」

体を引き剥がされた理由が飲み込めない主張は、不満というよりも悲痛だ。どうにか続行したい相手をかわそうとするのは、おおよそ褥の中でするような行為ではない。ほとほと情けなくなる。リーチの差でなんとか腕の中に収めて、口元に指を立てる。

「ウチの子」

 

ドアの向こうでドアをたたきながら「姐さーん」と声がする。新人だ。その声を聞いて合点がいったのだろう、ようやく緩んだ腕を解いて急いでドアに向かうと、ウェブナーの足音を待っていたかのように声がする。

 

「クレイモア・ワンに出動要請あり。準待機組にも召集かかってます。集合は02：30（マルフタサンマル）。以上」

「了解。悪いねドア越しで。すぐ向かうから先に行ってな」

「でも」

「『女の支度』は時間かかるんだ。とっとと行きな。班長がお待ちかねだよ。ああ、足音はたてるんじゃないよ」

 

背にしたドアの向こうで足音が降りていく。ウェブナーは今日の夜勤組の顔ぶれを頭の中で確認する。１課の精鋭部隊の出動となると、今夜の班長には負担が過ぎる。だからといって。個人的な状況には厳しいものがある。

 

 

寝床に戻るとサイドテーブルのランプにマーチスが手を伸ばしていた。

「召集だろ？支度しなよ」

こんなことがあるから枕元の油は切らしちゃだめだよって言ってるのに、とぶつくさ言いながらさっさとロウソクをさがしてマッチを擦っている。あきらめのよさが寂しい。

 

 

「15分」

「へ？」

「走ればなんとかなるし。がっつくよ」

「は？」

「仕掛けた責任はとってもらおうか」